リチウムイオン蓄電装置
リチウムイオン蓄電装置は2008年7月に開催された北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)の国際メディアセンターとなったルスツリゾート内に建設された近未来型住宅「ゼロエミッションハウス」の中に設置されました。
この蓄電装置は騒音や排ガスを出さない自然に優しい装置として九州地方7県(福岡県、長崎県、大分県、佐賀県、宮崎県、熊本県、鹿児島県)および広島県の一部を事業地域とする電力会社の九州電力と三菱重工業が開発しました。
九州電力と三菱重工業株は以前より電気自動車(EV)や電力貯蔵用を中心に大型リチウムイオン電池を開発し、自動車メーカにはEV用電池のサンプルを供給していました。
洞爺湖サミットのゼロエミッションハウスに出展したポータブル電源装置リチウムイオン電池は新たな大型リチウムイオン電池の適用先となりました。
さらに大容量タイプ「エレ来てる」は奥行き955ミリ、幅550ミリ、高さ850ミリの大きさで、最大出力は3kW、最大電流30A(1回路は最大で15A)、電源容量は6kWh、装置の上部にはIH調理器が取り付けられているため、屋外のイベントなどで発電機を使用することなくコードレスで調理や電力供給が可能です。
「エレ来てる」のキャリータイプも大容量タイプと同様に商用電源が確保できない作業現場でも発電機を使用することなくポンプや照明など、電力を必要とする機材に電力供給が可能で排ガスの出ない電源装置です。
現在もその実用性を評価・検証が続けられており深夜の地中線工事現場で実際に使用されています。
キャリータイプよりも、さらに小型のリチウムイオン蓄電装置「携帯電話充電タイプ」は非常災害時など商用電源が停止した際に携帯電話を最大20台、同時に充電が可能な装置です。
災害時には携帯電話ショップなどに設置され複数のユーザーが同時充電できるように開発されました。
このリチウムイオン蓄電装置「携帯電話充電タイプ」では全ての携帯電話会社の携帯電話を充電できるように充電の方式をUSB方式としています。
このようにリチウムイオン蓄電装置は自然環境に優しく私たちの日々の暮らしに大きく貢献してくれるものです。
今後も九州電力と三菱重工業では実証試験での適合性評価を行っていくとともに、利便性と性能を追求し開発していくとしています。
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